サッポロビール×ミズノ「SUPER STAR」から読む、ノンアル市場の次の広がり方
- Nakamura Lawrence Yoshihito

- 3 日前
- 読了時間: 6分
運動した後、サウナで汗を流した後の「美味しい一杯」は変わるのか。
2026年2月25日、サッポロビールとミズノが協働開発したスポーツノンアルコール飲料「サッポロ SUPER STAR(スーパースター)」が近畿エリア限定で発売されました。これは単なるノンアルコールビールではなく、“運動後の一杯”という新しい飲用シーンを提案するために設計されたスポーツノンアルコール飲料と捉えることができます。

健康志向や健康寿命への関心が高まる中で、「SUPER STAR」は“スポーツ後に飲むノンアル”という新しい習慣を提案する商品として注目されます。本記事では、この商品の特徴と背景、そしてノンアル市場にとってどのような意味を持つのかを整理してみます。
サッポロビール×ミズノの「SUPER STAR」とは
「SUPER STAR」は、運動をした後の爽快感や達成感を味わう“ご褒美ドリンク”としての役割を目指しているようです。味覚設計にはミズノの協力のもと、運動後の状態でのインタビューを重ね、クエン酸ナトリウムやクエン酸を配合することで、運動後のリフレッシュ感と飲んで納得できる味わいを両立させています。
この発売は、健康志向や健康寿命への関心が高まる中で、「運動の習慣化に寄与する飲料」という新しい価値を打ち出す取り組みとして注目されています。単に“お酒の代わり”としてのノンアルではなく、“運動後だからこそ飲みたくなる一杯”として設計されている点が、この商品の面白さです。

運動後の“ご褒美ドリンク”として設計された背景
開発背景を見ると、そこには「運動を続けたくなる動機をどうつくるか」という視点があります。運動そのものの価値だけではなく、その後に待っている気持ちのいい一杯まで含めて体験として設計することで、スポーツをもっと続けやすく、楽しいものにしようとしているように見えます。
“スポーツ後に飲むノンアル”という発想は、これまでのノンアルコール飲料にはあまりなかった切り口です。だからこそ、「SUPER STAR」は単なる新商品ではなく、新しい飲用シーンの提案として読むことができます。
なぜ今、「スポーツ後のノンアル」が注目されるのか
これまでノンアルコール飲料は、「飲めないときに代わりに飲むもの」として語られることが多かったかもしれません。しかし最近は、それだけではない広がりが見え始めています。健康を意識しながらも気分よく飲みたい、達成感を味わいたい、リフレッシュしたい。そんなニーズの中で、ノンアルはより前向きな選択肢になりつつあります。
特に運動後やサウナ後のように、体を整えたい気持ちと、気持ちよく一息つきたい気持ちが同時にある場面では、ノンアルとの相性は良さそうです。「SUPER STAR」は、まさにその場面に向けてつくられた商品だといえます。
つまり注目すべきなのは、“ビールの代わり”ではなく、“スポーツ後に飲むことを前提にしたノンアル”という提案そのものです。ここには、ノンアル市場の次の広がり方を考えるヒントがあります。
ミズノはなぜ飲み物をつくるのか
そもそもミズノはスポーツ用品メーカーです。ウェアやシューズ、施設運営まで手がけていますが、近年は「スポーツ体験そのもの」をどう豊かにするかに軸足を広げています。
ミズノの動きを見ていると、一貫しているのは「スポーツの前後までデザインする」という発想です。運動する。汗をかく。達成感がある。そして飲む。この流れまで含めて体験として設計しようとしていると考えられます。
その意味で、飲料をつくることはミズノにとって決して不自然なことではありません。スポーツそのものだけでなく、スポーツの前後にある時間まで豊かにしようとする中で、“運動後の一杯”に着目するのはむしろ自然な流れに見えます。
先行事例「PUHAAH」に見る一貫した取り組み
その流れの中で生まれたのが、2022年に「マルス信州蒸溜所」でもおなじみの本坊酒造・南信州ビールと共同開発したノンアルコール飲料「PUHAAH(プハー)」でした。現在も継続販売中の商品です。

これは“ビールの代わり”ではなく、運動後に飲むことを前提に設計された飲み物でした。 「走った後に飲みたい」 「でもアルコールはちょっと気になる」 そんなリアルな声から生まれた商品でした。
つまりミズノはすでに、“スポーツ後の一杯”という領域をテストしていたということです。今回の「SUPER STAR」は、その延長線上にある取り組みとして見ることができます。
飲料市場は“飲む場面”から広がってきた
飲料の歴史を振り返ると、こうした「飲む場面」から市場が生まれた例は少なくありません。たとえば1980年に発売されたポカリスエットは、喉が渇いたときの飲み物というよりも、汗をかいた後に飲む飲料として広まりました。野球場やサウナなど、発汗後の状況で試飲を繰り返し、「汗をかいたらポカリ」という文脈をつくったことで市場を広げていきました。

また、エナジードリンクの代表格であるレッドブルも、最初から広く販売されたわけではありません。大学生やクラブ、エクストリームスポーツといった特定のコミュニティに浸透させ、「この場面ではこの飲み物」という文化をつくりながら市場を広げていきました。
ミズノが行っている取り組みも、ある意味ではこの二つの考え方の中間にあるのかもしれません。スポーツ施設やトレーニング環境という「場所」を持ちながら、運動後という明確な飲用シーンに合わせた飲み物を提案しているからです。
「SUPER STAR」が示すノンアル市場の新しい可能性
“スポーツをする人のためのノンアル”。これは、アルコール飲料のオルタナティブ(代替)ではなく、“用途特化”と言えるかもしれません。ここに市場の次のヒントがある気がします。
これまでノンアルは、「お酒を飲めない場面で選ぶもの」として見られがちでした。しかし今後は、「どんな時間に」「どんな目的で」「どんな気分で」飲むのかに合わせて、より細かく価値が設計されていく可能性があります。
「SUPER STAR」は、その流れを象徴するような事例のひとつです。ノンアル市場の広がりは、代替需要だけでなく、新しい飲用シーンの開発によってさらに進んでいくのかもしれません。
まとめ|ノンアル市場は“代替”から“用途特化”へ
今回のニュースから見えてくるポイントは、大きく3つあります。
「SUPER STAR」は、運動後の飲用シーンを前提に設計されたスポーツノンアルコール飲料であること
ミズノは以前から「PUHAAH」などを通じて、“スポーツ後の一杯”を模索してきたこと
ノンアル市場は今後、“代替”ではなく“用途特化”によって広がっていく可能性があること
ランニングなどの運動やサウナ後の“美味しい一杯”を、アルコール以外のかたちでどう再定義できるのか。今回の「SUPER STAR」は、その問いに対するひとつの答えとして、とても示唆に富んだニュースだと思います。
参考リンク
【近畿エリア限定】サッポロビール・ミズノ協働開発 “スポーツノンアル”「サッポロ SUPER STAR」2月25日(水)発売
https://www.sapporobeer.jp/superstar/ https://www.sapporobeer.jp/news_release/0000018178/?utm_source=chatgpt.com
スポーツノンアル「サッポロ SUPER STAR」の開発ストーリー 前後編 https://jpn.mizuno.com/mizuno_magazine/product/1161225?utm_source=chatgpt.com https://jpn.mizuno.com/mizuno_magazine/product/1161225_02?pid=dc0000_mm_1161225
新商品 「PUHAAH」発売のお知らせ



