なぜ、開業当初からノンアルコールにアルコールと同じくらいこだわるのか──六本木の白土シェフのドリンク哲学
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- 2025年12月26日
- 読了時間: 7分
更新日:1月3日
ソフトドリンクから一線を画す「ノンアルコール」だからこその価値

ホテルやレストランの飲料戦略において、ノンアルコールは今や単なる「アルコール代替品」「あったらベターな補完的なアイテム」ではない。顧客満足度を左右する重要な要素となりつつある。
東京・六本木で少量多皿の15品コースを提供するレストラン「白土(しらと)」の白土誠司シェフは、開業当初から日本茶を含むノンアルコールペアリングを導入し、ノンアルコールドリンクを「アルコールと同じ立ち位置」として提供してきた。その結果、顧客単価はアルコールペアリングと同等の水準を実現している。ソムリエのような飲料のプロフェッショナルがいない中、料理人ならではの哲学で顧客に「非日常体験」を届けている。
非日常を演出する「少量多皿」にきめこまやかに寄り沿うノンアルコールペアリング
白土で提供されるのは、15品からなる少量多皿のコース料理。魚介が9割を占め、その多くは豊洲市場から仕入れる極上の食材だ。
「少量多皿のスタイルは、お客様に多様な味わいを楽しんでいただける。ドリンクも同様に、1杯で終わらず、料理の展開に合わせて変化をつけることで、より豊かな体験を提供できる」と白土シェフは語る。
開業当初から20種類近いお茶を揃え、アルコール・ノンアルコール両方のペアリングを提供。その内容は常に進化し続けている。「ApoptosisのWazuka Green(京都和束の緑茶ボトリングティー)であればグルタミン酸由来のうまみのある魚介、例えば海苔や昆布に合わせやすく、Mugwort(よもぎ茶ボトリングティー)は草餅を連想するので、デザートと相性が良い。QINO SODAの杉 - 富士山麓 -(杉のスパークリング)は燻製料理に寄り添う。こうした料理とドリンクの組み合わせを考えるのが楽しい」

「ソフトドリンク」ではなく、「ノンアルコールドリンク」として特別感をつくる
白土シェフが強調するのは、「ソフトドリンク」と「ノンアルコールドリンク」の違いだ。
「ソフトドリンクは子どもでも飲めるもの。コーラやオレンジジュースのような、甘いドリンクのイメージです。一方、ノンアルコールドリンクは大人が飲むもの。アルコールと同じ立ち位置で、価格も遜色なく設定できる存在だと考えています」
この考え方は、単なる価格戦略にとどまらない。白土では、お茶のペアリングコースも11,000円で提供し、アルコールペアリングと遜色のない顧客単価を実現している。

「お客様の中には、車で来られる方や、料理を純粋に味わいたい『フーディー』の方もいらっしゃる。また、『お茶のペアリングは初めて』『素敵なボトル』と仰っていただくこともあり、体験自体を求める方も多い。ノンアルコールは、もはやアルコールの代わりではなく、それ自体が選ばれる理由になっている」
ソムリエではなくシェフだからこその目線で組み立てる多彩なドリンク
ノンアルコールドリンクの導入において、白土シェフが重視するのは「お客様が満足してくれるかどうか」だ。
「顧客単価が上がるのは結果であって、目的ではありません。大切なのは、お客様がお食事に満足して帰り、白土のファンになってくださること。目先の利益を追うのではなく、長期的な関係を築くことが重要です」

白土にはソムリエがいない。白土シェフ自身が、様々なドリンクをテイスティングし、自分の料理に合うドリンクを選定、提供している。
「自分の料理を一番理解しているのは自分。だからこそ、ドリンクも自分で選びたい。例えば、この料理にはQINO SODAの杉 - 富士山麓 -(杉のスパークリング)が合う、と直感的に分かります。また、面白いドリンクを見つけたら、それに合う料理を作ることもあります。ワインと同じです」
料理と合うドリンクを常に探索し、発見するアプローチは、ノンアルコールドリンクの導入ハードルを下げてくれる。シェフ自身の料理に対する感性と知識で、価値のあるドリンク体験を提供できるのだ。

ただし、白土シェフはこう付け加える。
「提供する側には、ドリンクの知識が必要です。例えばお茶の産地や製法、その背景にあるストーリーを語れることが、お客様との会話を豊かにし、『非日常感』を演出します。ノンアルコールがアルコールと肩を並べる時代には、提供者の深い理解が不可欠です。Apoptosisの担当者にもドリンクの産地や特徴を聞きながら、会話の中で自分に合ったものを見つけました」
コンブチャの中華のスパイスを合わせる、ナチュールワインのようなしなやかな組み合わせ
白土シェフは、Apoptosisが開発・キュレーションするノンアルコールドリンクを「ナチュールワインのような位置づけ」として評価する。
「特に、岐阜県白川茶のコンブチャの『fog(フォグ)』は面白い。お茶でもあり、モクテルのような雰囲気でそのままでも楽しめる。中華系のスパイシーな料理や、甘みのあるデザートとの相性が良いと感じています」

実際の使用例として、以下のような組み合わせが挙げられた。
● ボタン海老のブランデー漬け
fogの香りがブランデーの風味と呼応させる
● うなぎの炭火焼きのよだれ鶏ソース
スパイシーなソースと組み合わせることで、料理の複雑さを引き立てる
● わかさぎのフリッター〜五香粉の香り〜
中華のスパイス感に寄り添い、余韻を整える
「Apoptosisのノンアルコールは、単なる『お茶』『コンブチャ』ではなく、ドリンクとしての個性が強い。だからこそ、料理の幅を広げてくれます。アルコールを飲まれる方でも、ワインを何杯か飲んで、途中でノンアルコールに切り替えたい、というお客様もいらっしゃいます。そういった方にも臨機応変に対応できるクオリティだと思います」
ノンアルコールは、食事体験を引き立てるアイテムに

白土シェフの実践から学べるのは、ノンアルコールドリンクが補完的なアイテムではなく、レストランでの食事体験の良きサポーターになり得るという事実だ。
【白土シェフのポイント】
1. 価格設定の工夫:「ソフトドリンク」ではなく、「ノンアルコールドリンク」として、アルコールと同等の価格帯で提供
2. 顧客満足度を第一に:顧客単価は結果として実現可能。長期的な顧客関係を重視し、顧客と対話しながら記憶に残るドリンクを提供
3. ソムリエ不在でもペアリング可能:シェフ自身の料理への理解と感性で、ドリンクの情報収集や選定は実現できる
4. 知識とストーリー:提供者がドリンクの産地や背景を語れることが、食事の体験価値を高める
【白土シェフ活用中のApoptosis商品】
Apoptosis Still Japanese Tea(烏龍茶/ほうじ茶/よもぎ茶):静岡県、新潟県、宮崎県と日本全国から選りすぐった茶葉を贅沢に使用し、コールドエクストラクション®︎製法で抽出。茶葉本来の香りと味わいを、ワイングラスで楽しめるボトリングティー。
QINO SODA(黒文字 - 白山麓 - / 杉 - 富士山麓 -):石川県の森林保護のために生まれたブランド。木が持つ香りと甘やかさを保存料や甘味料を加えることなくまっすぐに表現したスパークリングは、乾杯にもプレミアムな炭酸水としてもおすすめ。
fog(sencha / hojicha / tonohinoki):岐阜県白川茶の品格のある風味、香り高さを活かしたコンブチャ。白川は山間部に茶畑が広がっており、寒暖差により霧が立ち込める様からボトル名も付けられている。優しい甘さと微発泡に癒される1本。
ノンアルコールドリンクの可能性は、まだ広がり続けている。白土シェフの言葉を借りれば、「ノンアルコールがアルコールと肩を並べる時代」は、もうすぐそこまで来ている。

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Apoptosisは、ホテル・レストラン向けに多彩なノンアルコールドリンクを開発・キュレーション・提供しています。Contactからお気軽にお問い合わせください。
店舗情報:
白土 (SHIRATO)
〒106-0032 東京都港区六本木4-4-8 エトワール六本木2F
取材協力:白土誠司シェフ
取材日:2025年11月21日












